
LocoStepは、患者の歩行動画をもとに歩行機能を評価する医療用AIアプリです。 当初はロゴ制作の依頼として始まったプロジェクトでしたが、検討を進める中で、親会社・コーポレート・プロダクトの関係を再整理し、LocoStepを将来の姉妹ブランド展開にも耐える形で立ち上げる必要があると判断しました。
本プロジェクトでは、ブランド構造の再定義から、ロゴ・VI・最小限の運用スタイルガイド整備までを一貫して担当しました。
LocoStepのローンチにあたって最初に見えてきたのは、プロダクト単体のロゴ制作だけでは解決できない課題があるということでした。
ExaMDには複数の事業やプロダクトが存在しており、コーポレートブランドと各プロダクトブランドの関係が外部から見て必ずしも明確ではありませんでした。またすでに認知獲得している親会社ExaWizardsとの関係性整理も必要でした。
LocoStepを新しく立ち上げるにあたっては、まず「ExaMDという会社がどう見えるべきか」「その中でLocoStepはどういう位置づけを持つべきか」を整理する必要がありました。
加えて、LocoStepは医療AIに関わるプロダクトであるため、先進性だけでなく、医療現場で受け入れられる信頼性や落ち着きも求められました。 また、アプリ内だけでなく、Web、営業資料、印刷物、今後の姉妹ブランド展開など複数の接点で成立するブランドにする必要がありました。
1. 親会社の認知資産を活かしながら、ExaMDおよびLocoStepの独自性をつくること
2. 医療AIプロダクトとしての先進性と信頼性を両立すること
3. 今後の展開や運用に耐えるブランド基盤をつくること

そのため、このプロジェクトはLocoStepのロゴ制作だけではなく、親会社との関係性を踏まえながら、ExaMDとLocoStepのブランドの立ち位置を再定義することでした。
このプロジェクトでは、LocoStepのロゴやビジュアルを制作するだけでなく、ブランドの前提となる構造整理から、運用可能な最小単位のガイド整備までを一貫して担当しました。
ロゴ制作を開始する前に、まず親会社やグループ全体のブランド構造を整理から始めました。
- ExaMDにおけるコーポレートブランドとプロダクトブランドの構造整理
- 親会社との関係を踏まえたコーポレートブランドの再定義提案
- LocoStepのロゴ・ビジュアルアイデンティティ設計
- 複数接点への展開を見据えた基本ルールの整理
- 最小限のスタイルガイド整備
- 経営層との合意形成- 外部デザイナーへ展開できる運用土台づくり
このプロジェクトは、LocoStepのロゴやビジュアルを制作するだけでなく、ブランドの前提となる構造整理から、運用可能な最小単位のルール整備までを一貫して担当しました。
まず親会社やグループ全体の中での構造を整理しました。
親会社・子会社・各プロダクトがどのような関係で見えるべきかを検討しました。

そして、親会社との連続性を残しつつ、ExaMDをより医療に親和的なブランドとして再定義する方向を設計しました。
当時のExaMDは、親会社ExaWizardsに近い紫寄りのExa Blueを踏襲していました。
ただ、LocoStepのローンチを機に、AI企業としての連続性は保ちつつも、医療特化ブランドとしての信頼感を明確にする必要があると考えました。
そこで、認知資産のある親会社からカラーのみを変更し、より医療との親和性が高いブルーをExaMDブランドのキーカラーとして再定義することを提案しました。

ExaMD全体のブランドカラーとして定義にすることで、LocoStepだけでなく将来の姉妹ブランドも連続性を保ちながら展開できる構造をつくりました。
ビジュアル探索に入る前に、LocoStepのプロダクトロゴに必要な5つの要件を定義しました。 これにより比較検討を、要件適合度で議論できる状態をつくりました。
探索フェーズでは、プロダクトを連想させるキーワードを起点に検討を進めました。
その中で、サービス名LocoStepとの接続が最も強く、歩行分析を直感的に想起させるモチーフとして「足跡」を軸にすることを決めました。ただし、単に足跡を記号化するのではなく、医療プロダクトとしての落ち着きや、ExaMDのプロダクトファミリーとしての連続性も成立させる必要がありました。 そのため、複数案を並列で検討しながら、見た目の印象だけでなく、将来の運用や拡張性も含めて比較しました。

最終案の選定では、3つの候補案を5つの設計要件に照らして比較しました。
重視したのは、LocoStep単体としての完成度だけでなく、ExaMDのプロダクトファミリーとして長期的に成立するかどうかでした。
歩行の直感性と医療らしい信頼感は強い一方で、やや要素が多く、拡張性に課題がありました。
医療プロセスに寄り添う物語性がある一方で、視認性に課題があり、印刷物などでの運用に調整が必要でした。
親ブランドExaBaseとの連動性、汎用性、拡張性のバランスが最も高く、将来の姉妹ブランド展開にも耐えられる案でした。
最終的には、ブランド連動性・拡張性・汎用性の3軸で最も優位だったC案を選定しました。
これは、ExaMDのプロダクト群が将来並んだ時にブランドとして成立することも考慮しての判断でした。
C案から派生した複数のバリエーションを作成し、実際の利用シーンに近い状態で検証しました。背景色変化への耐性や姉妹ブランドとの一貫性なども考慮しながら検証を進めました。

調整を繰り返し、チーム内での最終ロゴの決定に至りました。

同時に、開発中の姉妹プロダクトブランドを並列で検討する中で、姉妹ブランドらしさを成立させるロゴ生成ルールを「解析対象 × 技術モーダル」として言語化しました。
LocoStep単体のロゴ制作に留まらず、ExaMDのプロダクトブランド全体に適用可能な設計原則を定義することができました。 ロゴをその都度作るのではなく、再現可能なブランド設計プロセスへ変えられたことが、この案件の大きな成果でした。

設計したアイデンティティは、ロゴ単体に留まらず、複数の接点で一貫して機能することを前提に展開しました。アプリアイコン、LP、パンフレット、学会出展グラフィック、広告バナーなど、用途も温度感も異なる接点に適用しながら、ブランドとしての連続性を保てるかを検証しました。


また、初期運用をスムーズにするため、カラー、タイポグラフィ、ロゴ使用ルール、使用可否例、姉妹ブランドとの並列ルールをまとめた最小限のガイドラインを整備しました。完璧なブランドガイドラインを目指すのではなく、初期運用が回る最小単位に留めることで、スピードを落とさずに一貫性を保てる体制をつくりました。このガイドラインは、外部デザイナーや動画クリエイター、営業チームとも共有され、その後の制作物展開の基盤として機能しました。

アプリ、Web、学会出展、営業資料、プレスリリース、パンフレットなど、性質の異なる接点で一貫したブランド表現を実現しました。
最小限のスタイルガイドを整備したことで、外部デザイナーや動画クリエイターに依頼する際も、ブランドトーンを大きく外さない運用が可能になりました。
LocoStepと将来の姉妹ブランドを並列で検討する中で、各プロダクトのロゴは、解析対象を表すモチーフと技術モーダルを表すモチーフを組み合わせる、という共通ルールを言語化しました。
このルールにより、単発のロゴ制作に留まらず、ExaMDのプロダクトブランド全体に適用可能な設計原則を定義することができました。
ロゴやVIは見た目の問題ではなく、コーポレートとプロダクトの関係をどう見せ、どう運用していくかという企業価値の問題だと実感しました。
完璧なガイドラインを目指すより、運用が回る最小単位で立ち上げ、走りながら積み増していく方が、結果として強いブランド基盤になると学びました。